突然の自殺の場合、当然のことながら本当の理由はわからないものです。何の徴候もなかった、しかし一人悩んでいたに違いない、あるいは、精神疾患にかかっていたに違いない、のような推測はしばしばなされますが、どれも推測にすぎません。本当の理由がわかるはずがありません。
ただ、自殺企図から偶然一命をとりとめた人にあとから理由をお聞きすることが、精神科の臨床では時々あります。(この場合、その自殺企図が本当に死ぬつもりだったのか、それとも救いを求める気持ちでしたものかということがまず問題になります。これは、自殺企図の方法からある程度はわかるものです)
そして、「周囲が全く予想していなかった突然の、本当に死ぬつもりであった自殺企図」では、その時に幻覚や妄想が激しい状態だったということがわかることが大部分です。特に十代、二十代の若い年齢の方ではそれがいえます。